入れ歯についての考え

入れ歯

インプラント治療の技術進展は目覚ましく、歯を失った場合の第一選択肢として認知されるようになりました。しかし、骨の条件や全身疾患などが理由で、インプラント治療ができない方もたくさんいらっしゃいます。

当院では、患者さんが入れ歯で悩むことのないように、お口の状態をきちんと診断した上で、どのような入れ歯がお口に合うか提案いたします。入れ歯にもインプラントにもそれぞれ利点と欠点があります。大切なのは、自分の価値観にあった最適な治療方法を選択することです。

入れ歯の利点
1.外科処置を必要としない
インプラントのように外科処置を必要としないのは大きなメリットといえます。特に高齢の方は、全身疾患を抱えているために外科処置ができない場合がよくあります。

2.比較的に費用が安価である
入れ歯は、保険外診療でもインプラントに比べると安価です。現在のインプラント1本あたりの費用は平均40万円前後ですから、複数本の治療となると経済的な負担が大きくなります。

3.歯を削る量が少ない
入れ歯の場合はブリッジと異なり、自分の歯を削ることはほとんどありません。自分の歯を削らないということは、歯の寿命を伸ばすことにつながります。

入れ歯の欠点
1.慣れるまでに時間がかかる
入れ歯は、慣れるまでにそれなりの時間を要します。また使用中の入れ歯を修理したり、新しい入れ歯を製作する場合も同様です。

2.見た目の問題
部分入れ歯の場合、金属のバネを自分の歯にかける必要があります。したがって、前歯などに装着する場合は、見た目が悪くなることがあります。

3.歯に負担がかかりやすい
入れ歯を装着するため、金属のバネをかけた歯には負担がかかります。その結果、経年によって歯を失うこともあります。もちろん、入れ歯の設計を見つめ直すことで、歯を失う危険性を減らすことは可能です。

入れ歯の種類

レジン床の入れ歯レジン床
歯肉に触れる部分がレジン(プラスティック樹脂)で作られた保険適用の入れ歯です。プラスティック樹脂は磨耗しますから、時間の経過とともに脆くなり割れやすくなります。また、噛む力をプラスティック樹脂で支えるためには、入れ歯を大きくそして厚く設計する必要があります。

平均して、金属床入れ歯の3倍程度(1.5~3.0mm以上)の厚みになり、厚みが大きいほど舌の稼動領域が狭くなるため、違和感を覚えやすくなります。またプラスチックは、熱を伝えにくい材質なので、食べ物の温度を感じづらく、結果として味覚が落ちることがあります。

※食事時に感じる味覚として、甘い・辛い・酸っぱい・しょっぱい・苦いなどがありますが、熱い・冷たいなどの温度感覚も、味覚を大きく左右します。

金属床の入れ歯金属床
歯肉に触れる部分が金属素材で作られた保険適用外の入れ歯です。金属床は強度が高いので、レジン床の入れ歯よりも小さく、そして薄く設計することができます。その結果、話しやすさや違和感の減少につながります。

レジン床の入れ歯は、噛む力が大きく加わると、たわんで変形を起こします。変形が大きければ大きいほど、入れ歯を支えているお口の中には予測できない力が生じ、粘膜の炎症や支えている歯へダメージを与えることになります。その点、金属床には「たわまない」「ねじれない」というメリットがあり、残された自分の歯や歯周組織に負担をかけません。

さらには、金属床は熱伝導性が高いので、食べ物の熱や冷たさを感じることができ、食事を美味しく楽しむことができます。特に部分入れ歯には金属床が有効です。金属床では金属のバネと床を一体に製作しますので寸法に狂いがなく、安定性があり、強固な金属の土台がしっかりと噛む力を受け止めます。

金属床の入れ歯として、当院では「コバルト床」と「チタン床」をご用意しています。

●コバルト床
金属床で最も多く使われているのがコバルト床です。非常に薄い仕上がりで熱伝導率が高く、食べ物の熱さや冷たさを損ないません。耐久性にも優れ、安定した状態で長期間使用することができます。チタン床に比べると若干厚くなりますが、自然に近い装着感や快適感が得られます。

●チタン床
床の部分にチタンを使った金属床です。インプラントにも使われているチタンは軽くて顎に馴染みやすく、装着したときの違和感がほとんどありません。また、生体親和性の高いチタンはアレルギー反応を引き起こす可能性が低く、金属アレルギーの方でも安心してお使いいただけます。

インプラント義歯(ミニインプラント)インプラント義歯
これは下顎専用のインプラントで、総入れ歯の安定用に使われるものです。通常のインプラントよりもずっと小さいミニインプラント(直径1.8mmのチタン製のネジ)を4本、下顎の骨に埋め込み、その上に入れ歯を装着して固定させます。

少量の麻酔をして、直径1.8ミリの細いチタン製ネジを歯ぐきの上から埋め込みます。 麻酔をしますので痛みはありません。 そして、入れ歯の裏側に特殊な金具を付けて、ちょうどホックで留めるように入れ歯とネジは「カチッ!」と咬み合い、着脱も簡単に行えます。

インプラントと総入れ歯の中間に位置するもので、通常のインプラントほどではありませんが、総入れ歯をそのまま使うよりも安定が得られるため、はるかに快適な食事が可能です。また、費用がインプラント治療よりも安価なうえ、メスで歯ぐきを切開しない比較的簡単な手術で済むため出血もほとんどなく、施術を受けたその日から食事ができます。

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