2016年3月11日

定期的なメンテナンスクリーニングを

歯科衛生士の充実

「歯ブラシをしっかりと行っているから、メンテナンスクリーニングは必要ない」と考えている方がいるかもしれません。しかし、ブラッシングを丁寧に行っても、落とせない汚れがあるのです。それがバイオフィルムと呼ばれるものです。

バイオフィルムは、「細菌などが集まってできたヌメヌメした塊」のことです。わかりやすく例えると、台所のヌメヌメです。台所の掃除をさぼっていると、ヌメヌメした塊が発生してきます。同じように、口の中にも同様のバイオフィルムが発生します。

このバイオフィルムが問題なのは、薬剤や殺菌剤などの外敵から身を守るためにバリアとして働いていることです。つまり、このバリアを壊さない限り、むし歯菌・歯周病菌などに直接効果的な攻撃を加えることはできないのです。

予防を万全にしてくれる歯科衛生士の存在

歯科衛生士このバリア(バイオフィルム)を破壊するためには、専門的な技術を身につけた歯科衛生士によって、機械的にバイオフィルムを除去することが効果的です。このバイオフィルムは、一旦除去しても3ヶ月程度で再び形成されるというデータが出ています。つまり3ヶ月に1度の定期的なメンテナンスクリーニングが必要になるのです。

ご自身でのリスクコントロール(生活習慣やブラッシング方法の改善など)と、歯科医院で受けるメンテナンスクリーニングの両方がしっかり機能することによって、長期的なお口の健康を手に入れることができるのです。

充実のメンテナンス環境
当院は、1階を診療に使用し、2階はメンテナンス専門として使用しています。メンテナンス用の診療台2台に対して、衛生士は3名在籍という充実した環境のもと、患者さん一人ひとりのお口の状態に合わせた、効果的な予防プログラムの提供に取り組んでいます。

メンテナンス用の診療台メンテナンス用の診療台

また、当院は担当衛生士制を採用していますので、担当の衛生士が患者さんのお口の状態をしっかり把握し、見守っていきます。

現状を打破するために

現状を打破するために

当院では「機能回復の治療」を優先するよりも、「原因の除去」と「再発防止」に真剣に取り組むことこそ重要だと考えています。機能回復はもちろん大切な治療ですが、せっかく治療を施しても、歯が悪くなった原因が残ったままでは、間をおかずに再発してしまうことが必至です。また、そもそもの原因がなければ、歯が悪くなることはないのです。

再治療の原因を除去するステージ

再治療の原因を除去再治療のサイクルを断ち切るために必要なことは、お口の中から「疾病が発症する原因を除去・抑制」することです。そこでまずは、口腔内の2大疾病であるむし歯と歯周病の原因にアプローチすることから始めます。

むし歯や歯周病は細菌による感染症であり、その原因はプラークです。プラークは単なる食べカスではなく、細菌の塊です。プラーク1gの中に1,000億もの細菌が存在していて、むし歯や歯周病の原因菌が多数観察されています。まずは、このプラークをコントロール(除去・抑制)することで、お口の中を治療や再治療のリスクが低い環境に整えていくことが可能になります。

プラークコントロールの方法
<プラークの除去>再治療の原因を除去
プラークは、食事をするたびに歯に付着しますので、毎日または毎食後に歯磨きをする必要があります。ただし、単に強く磨いたり、長い時間磨いたからといって、プラークを完全に除去することはできません。

「磨いている」と「磨けている」とは意味がまったく異なります。特に、丁寧に歯磨きしているにもかかわらず、むし歯や歯周病になってしまった方は、磨き方に問題がある可能性が高いので、正しい歯磨きの指導を受けることをお勧めします。

<歯石の除去>再治療の原因を除去
プラークの磨き残しをつくると、唾液中のカルシウムやリン酸と結合して石のように硬くなります。これを歯石と呼びます。

歯石の表面はザラザラとしていて、プラークがつきやすい状態です。歯石にプラークが付着すると再び結合して、歯石はさらに増大します。歯石は歯磨きでは取り除くことはできません。専用の器具や機会を使って除去することが必要です。

<金銀パラジウム合金の除去>再治療の原因を除去
銀歯は口腔内で電位を帯びるため、プラークを凝集しやすくなります。また、口腔内で長時間使用すると金属腐食を引き起こし、表面がざらざらと粗くなります。

この粗くなった面にはプラークが滞留しやすくなります。適切な歯磨きで常にプラークをしっかりと除去できればよいのですが、自信のない方はプラーク付着量の少ない素材に切り替えることが有効です。

機能回復を実現するステージ

治療や再治療の原因となるプラークをコントロールできるようになったら、次は機能回復を実現するステージです。具体的には、むし歯治療・歯周病治療・咬み合わせの治療を開始します。

<むし歯治療>機能回復を実現するステージ
もしもむし歯になってしまったら、できるだけ早い時期に治療を受けることが大切です。むし歯が進行すると神経が冒されて歯そのものが弱くなったり、歯の根まで感染すると、その歯を抜くだけでなく、隣の歯まで悪影響を及ぼすことがあります。

<歯周病治療>機能回復を実現するステージ
歯周病治療は、いわば家を建てるときの基礎工事です。どんなに立派な家を建てても、それを支える基礎工事に手抜きがあれば、その家はすぐにダメになります。それと同様に、いくら歯の修復治療を丁寧に行っても、歯を支える顎の骨が脆ければ、歯はいずれダメになってしまいます。歯周病治療は、歯を支える骨や歯肉をしっかりさせるために必要不可欠な治療です。

<咬み合わせの治療>機能回復を実現するステージ
歯の喪失や不正歯列などにより、咬み合わせのバランスが崩れていると、片側の歯や特定の歯根に無理な力がかかってしまいます。できれば喪失対策や歯列矯正をして、バランスの良い咬み合わせを整えましょう。それによって、それぞれの歯の役割に応じた働きをさせることができ、歯の健康を長く維持できるのです。

再治療のサイクルを断ち切るための機能回復
機能回復を実現するステージでは、できるだけ精度の高い治療を選択することが有効です。精度の高い治療とは、永続性の高い治療技術を選択した上で、完成度の高い治療を実現できるような時間的余裕を持ち、医学的な根拠に基づいた材料を用いた修復物(詰め物や被せ物など)で治療することです。

精度の高い治療を選択することによって、何度も治療を繰り返すような悪循環を断ち切ってしまいましょう。当院では、単に削って詰める、悪くなったら被せるといった、その場しのぎの治療は実施したくないと考えています。

治療の再発を防止するステージ

治療の再発を防止治療の再発を防止するために最も有効な方法は、歯が悪くなってから治療を受けるのではなく、歯が悪くなる前に予防処置を受けることです。予防処置とは、3ヶ月に1回程度、定期的に歯科医院でメンテナンスクリーニングを受けることでプラークを除去し、むし歯や歯周病になりにくい口腔環境をつくることです。

スウェーデンでは治療ではなく、このメンテナンスクリーニングに力を入れたことによって、国民の平均残存歯数が飛躍的に向上しました。日本でも、メンテナンスクリーニングをしっかり受けた方と受けなかった方とでは、80歳になったときの残存歯数に約9本もの差がついたというデータがあります。

「年を重ねるほど、歯が悪くなるのは必然」というわけではないのです。若い頃から歯科医院で定期的にメンテナンスクリーニングを受け、ご自身によるセルフケアもしっかりと行えば、多くの歯を残すことが可能となるのです。

80歳までに、歯の本数が半分以下に減少

予防歯科の現状

成人の口腔内には28本の歯があり、食事を美味しく楽しむには、最低でも20本の歯が必要だといわれています。しかし、平均的な日本人の残存歯数は80歳で12.2本というデータがあるのです。

50歳頃から喪失歯が増え始め、60歳時点では4人に1人が部分入れ歯を装着。そして80歳以上の2人に1人は総入れ歯になっているような現状です。ですが、日本人が歯を失う最大の原因は加齢ではなく、実は「治療の繰り返し」なのです。

むし歯を削って白い樹脂を詰める治療をしたのに、いつの間にか樹脂の周りがむし歯になり、今度は銀の詰め物をする。その後さらに詰め物の中がむし歯に冒され、一回り大きな銀の詰め物にする。そんなふうに、治療後の「良い状態」を維持できず、次々と治療を繰り返して、結局大切な歯を失ってしまうのです。

これまでの日本の歯科医療の問題点

予防歯科の現状日本で治療した銀の詰め物や被せ物の平均使用年数は約7年とされていますが、ドイツで治療した被せ物は、10年後で79%、15年後でも56%が使用できます。さらに、ブリッジは10年後で82.0%、15年後でも64.0%と長期間機能しています。また、オランダでのブリッジは10年後で92%、12年後でも87.0%と、ドイツ以上に長い期間使用されています。

こうやって比較してみると、日本における銀の詰め物や被せ物の寿命が大変短いことがはっきりします。実際、日本の歯科医院で日常的に行われているむし歯治療(修復治療)の3分の2程度は、再発による治療の繰り返しであると考えられています。

なぜ、諸外国との間にこれほどの差が生じるのでしょうか。その最大の理由は、日本ではむし歯や歯周病という症状に対して機能回復させる治療を優先して、疾病の原因除去と再発防止対策に真剣に取り組んでこなかったためなのです。

患者さんの意識の改善も重要です

予防歯科の現状患者さんが歯科医院に足を運ぶ理由も、そのほとんどが「歯が痛くなった」「歯がぐらつく」「歯ぐきから血が出る」といった対処治療を求める通院であることが一般的です。この場合、歯を削ったり、歯石を除去したりという機能回復のための応急処置を施せば、症状はいったん改善するため、その時点で「問題が解決したので治療終了」と考えてしまっていたことが間違いだったのです。

歯の健康を真剣に考えるのなら、なぜ口腔内に疾病が発症したのか、その原因を突き止めてきちんと対策しなければ、むし歯や歯周病は必ずといっていいほど再発し、歯を失う典型的なパターンに陥ってしまうのです。

現在では、むし歯や歯周病の原因が解明されており、どのようにすればむし歯や歯周病を未然に防ぐことができるのかというリスクコントロールの方法が確立されています。

ですから、自らのリスクを探り、そのリスクの原因(生活習慣やブラッシング方法)をコントロールして、むし歯や歯周病が再発しないように改善することが本当の治療だと私たちは考えています。そうすれば、年齢を重ねても歯で苦労する心配はありません。予防こそが最良の治療といえるのです。

予防先進国スウェーデンでの事実

ここでスウェーデンでの事実にご注目ください。スウェーデンでは20年以上前から予防を国民に推奨してきた結果、75歳で平均19.5本の歯が残っているという驚くべき成果があらわれています。

予防先進国スウェーデンでの事実

日本では、予防のために歯科医院を定期的に利用している人は約2%程度です。しかも歯を悪くして時間とお金をかけた人が、予防の大切さに気づいて通っているのが実状です。反面、予防先進国のスウェーデンでは、80%以上の人が普段から予防を心がけています。

メンテナンスの意義

健康を維持するメンテナンス

治療が終了した時点で、理想的なお口の状態になったとしても、その状態を継続することができなければ本当の意味での成功とはいえません。そのため、当院では良好な状態を維持するためのメンテナンスプログラムを充実させています。

例えば車を買ったとします。高い車であれ、安い車であれ、メンテナンスを怠れば、次第に調子が悪くなります。逆に定期的なメンテナンスを実施していれば、長期間乗り続けることが可能です。皆さんも車に関しては、オイル交換などのメンテナンスを定期的に行っているのではないでしょうか。

歯に関しても同じです。定期的なメンテナンスを受けることによって、良好な状態が維持され、歯の寿命も長くなります。結果として、美しく健やかな歯が保たれ、質の高い生活を送っていくことができるのです。

個々に最適な定期検診サイクルをご提案

定期検診サイクルをご提案メンテナンスの間隔は、通常3ヶ月~4ヶ月に1回です。ただし、お口の中の状態が良好であれば6ヶ月に1回程度で良い場合もあります。逆に状態が悪ければ、1ヶ月に1回程度必要な場合もあります。基本的には、お口の状態が良好な人ほど来院間隔は長く、悪くなる可能性が高いと思われる人ほど来院間隔は短くなります。

当院には、患者さんそれぞれにメンテナンス専用の診療記録があります。治療した歯やチェックが必要な箇所(ごく初期状態のむし歯や歯軋り、食いしばりの状況など)を詳細に記録し、メンテナンス時に見逃さないよう確認しています。そういった過去の記録を参考にして、個々の患者さんに最適なメンテナンスを提供できることが、同じ歯科医院に通い続けていただくことの最大のメリットです。

治療が終了した際や検診に来ていただいた際、その場で「次の受診日」を予約していただくことが可能です。また患者さん皆さんに「定期検診のお知らせ(ハガキ)」を送らせていただき、すぐには次の予定が立たない方や、予約した日を忘れてしまいそうな方にも、スムーズに受診していただけるよう心がけています。

メンテナンスの内容

1.お口全体の状態チェックメンテナンスの内容
まずは治療した部位の状態をチェックします。同時に、新しいむし歯や歯周病などができていないか、咬み合わせなどの状態は良好かといったことを確認します。特に歯周病は自覚症状がないため、定期的な検査こそが早期発見を可能にします。


2.スケーリング(歯石除去)メンテナンスの内容
毎日のブラッシングではなかなか取ることができない歯垢や歯石は、口腔内における病気の主原因となります。スケーリングは専用の器具を使用して、歯肉や歯周ポケットから歯垢や歯石を除去する治療法で、当院では基本的に歯科衛生士が担当しています。

超音波を使用して、石灰化した歯石まで簡単に除去できる上に、保険が適応できるため、比較的安価な治療でもあります。スケーリングを受けた患者さんの感想は、「歯がツルツルして気持ちいい」とのこと。当院の歯科衛生士は確かな技術を有していますので、安心してお任せください。

3.PMTCメンテナンスの内容
プラーク(歯垢)や歯石が成長すると、バイオフィルム(細菌の塊)と呼ばれる歯磨きでは取れない汚れになります。このバイオフィルムを除去するために、歯科衛生士などの専門家が専用の器機を用いて行う、専門的なお口の中の清掃がPMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)です。

汚れのつきにくいツルツルの歯に仕上がるので、むし歯や歯周病の予防だけでなく、口臭の改善などにも効果があります。また、歯の白さや健康な歯肉を取りもどすことが可能なため、最近では、エステ感覚でPMTCを受ける方も増えています。

4.歯ぐきのマッサージ(ガムマッサージ)メンテナンスの内容
メディカルアロマジェルを使用したマッサージで老廃した汚れや細菌を取り除き、口の中の隅々までキレイにしていきます。歯ぐきのマッサージには、「口全体のクリーニングによる汚れと細菌の除去」のほか、「唾液腺マッサージで唾液中のラクトフェリン(抗菌作用)によるデトックス・抗菌」「歯ぐきの血流改善」などの効果も期待でき、免疫力UPや口臭予防、歯周病の改善にも高い効果を発揮します。

5.フッ素塗布メンテナンスの内容
フッ素には、歯の再石灰化を促したり、細菌の活動を抑制したりする効果があり、定期的に歯にフッ素を塗布することで、むし歯や歯周病を予防することができます。

治療の繰り返しが歯を失う最大の理由

精度の高い治療

皆さんは、むし歯や歯周病などが「歯を失ってしまう最大の理由」だと思っているのではないでしょうか? もちろん、加齢や病気も要因のひとつではありますが、実は、そういったこと以上に問題なのが「治療の繰り返し」なのです。

歯の喪失には、次のような一定のサイクルがあります。
① むし歯になったので治療する(=削って詰める)
次へ
② 詰め物の隙間から再びむし歯になり、大きな銀の詰め物に治療しなおす
次へ
③ いつの間にか歯がしみるようになってしまったので、神経をとって銀の被せ物にする
次へ
④ 歯の根が感染して再治療となり、銀歯をつくり換える
次へ
⑤ 歯の根が割れてしまい、歯を抜くしかなくなる

治療を繰り返すことによって歯を失っていくケースは、加齢が原因だけだとはいえません。歯の寿命を伸ばすためには、このようなサイクルの中でいかに早い段階で「歯を悪くしないための予防を始められるか」がカギとなります。予防とは、定期的なメンテナンスを受けることで、歯を悪くすること自体を未然に防ぐことなのです。

そして、もしも不幸にも歯が悪くなってしまった場合は、少しでも早い段階で「精度の高い治療」を受けて、治療を繰り返す悪循環から抜け出すことが大切です。

精度を左右する歯型採取と修復物の違い

歯型採取と修復物の違い通常歯を削ったあとは、歯を被せ物や詰め物で修復します。その際、修復物と自分の歯との境目には、わずかな隙間ができます。この隙間が大きいと、そこに細菌の塊であるプラークがたまり、むし歯が再発する可能性が高まります。

したがって、修復物と自分の歯の隙間を際限なく、ぴったりと合わせることが求められます。ただ、これは永遠のテーマであり、そう簡単になせる技ではありません。この適合性を最大限に高めるには、歯型を採る精度を上げること、それに加えて修復物の完成度を上げることが必要になります。

歯型を採る精度を左右する点
精密な歯型を取るには、修復物と削った歯の境目を明確にする「歯肉圧排」という操作を必要とするのですが、それ以上に影響を与えるのが歯型を取るために使用する材料です。

通常、銀歯の型を取る際には寒天を使用します。これは非常に安価で、操作性に優れた材料ですが、精密さという点ではシリコンのほうがはるかに優れています。シリコン材料を用いれば非常に精密な歯型が採取できるのですが、操作性が複雑で、しかも高価であるため、残念ながら、保険診療の枠では使用できません。

修復物の精度を左右する点
精度の高い治療の実現のために、歯型を取る精度の次に求められるのは、「どれだけ精密な修復物(詰め物や被せ物)を作れるか」ということです。

歯科技工士に修復物の製作を依頼すると、その対価として技工料が発生しますが、銀歯の技工料金は、高く見積もっても3,000円以下です。逆に、優秀な歯科技工士にセラミックやジルコニアの製作を依頼した場合は、30,000円以上になるのが通常です。

歯の修復物は、その人の、その歯のためだけに製作される「オーダーメイド」です。そう考えると、体の一部となるオーダーメイドの修復物が、歯科技工士の利益を含めて3,000円以下ということのほうが、「安すぎて不安」という気がしませんか?

精度の高い治療を実現させるために

精度の高い治療を実現させるために保険適用する銀歯で済ませるか、自費治療でセラミックやジルコニアを選択するか。そこには材料費の差もありますが、それ以上に「どれだけの手間と時間をかけて技術が尽くされるか」という差が大きく影響します。

そして、その技術等の差が修復物の精密さを大きく左右することはいうまでもなく、つまりは「優れた品質のもの」を求めるのであれば、それ相応の対価が必要ということなのです。

当院では、自費治療の補綴物は他の補綴物とは別に、当院院長との付き合いが長く、信頼できる技工士さんに依頼しています。精度の高い補綴物を製作してもらうには、高い技術を有する技工士であることはもちろん、医師との密な連携や意思疎通が可能であることも非常に重要なことだからです。

精度の高い治療の価値

精度の高い治療の価値精度の高い治療を受けるということは、治療の繰り返しのサイクルを延ばすことです。いいかえれば、「再治療のリスクをいかに低下させるか」ということです。しかし、日本の保険制度では「最善の治療を提供することが難しい」というのが現状です。

これには保険制度の成立に関係があります。歯科保険制度が制定された昭和36年当時は、むし歯の発生率が非常に高く、歯科医院には患者さんの行列ができるという時代でした。そのため、「最低限、物が噛める状態にする」という「必要最小限の治療」を保険範囲に定めたのです。

それから50年以上経過した現在、私たちの生活は当時とは比較にならないほど豊かになりました。それにもかかわらず、保険適用となる治療技術や素材の範囲は広がらないどころか、医療費抑制により縮小しているような有様です。

医科と歯科での「保険適応範囲の違い」
保険適用外となる自費治療は、歯科治療を受ける患者さんたちが困惑する最大のテーマではないでしょうか。何故なら、多くの方が「医科における健康保険の適応内容」と同様に、歯科でも健康保険で「最善の治療」を受けることができるのでは?と考えていらっしゃるからです。

しかし実際は、医科と歯科では保険適応と認められる範囲に大きな差があります。医科では、たとえば内視鏡手術など多くの最先端治療が認められていますし、新しい治療技術でも、有効性が認められると保険適用されることが多く、健康保険でも概ね「最善の治療」が提供されています。

ところが歯科の場合は、昔から保険適用されている「必要最小限の治療」しか提供できないというのが実際のところです。

患者さんの価値観を尊重します

患者さんの価値観を尊重健康に関する価値観は人それぞれですから、何を最適な治療と考えるのかも患者さんそれぞれによって異なります。保険治療が良いのか、自費治療が良いのか、その究極のテーマに決まった答えはありません。しかし、再治療のリスクを減らして治療の繰り返しのサイクルを延ばしたいと考えるのであれば、自費治療が最適であるということは間違いない事実です。

蛇足ですが、当院では「保険治療を宣伝のようなもの」と考えています。まずは保険治療を受けていただき、「この先生なら信頼できるから、次は自費で頼もう」と思っていただけるような治療を心がけています。保険治療すら満足にできない歯科医に、高額な自費治療をお願いする気にならない。それはきっと、私が患者の立場でも同様に考えると思うからです。

ミニマルインターベンション(MI)とは

ミニマルインターベンション

ミニマルインターベンション(MI)とは、簡単にいえば、「歯を削る量を最小限にして、自分の歯をできるだけ残す」という治療方法です。

今までのむし歯治療は、むし歯が拡大することを防ぐために、患部周囲の健康な部分まで削り取り、金属の詰め物などに置き換える方法が主流でした。さらに、むし歯が神経の近くにまで達して痛みが生じている場合は、神経も除去していました。

しかし、MIの方針で考えてみると、それらの治療方法は間違いとなります。MIの考えに沿った方法では、むし歯に冒された部分のみを削り、その形で充填できる材料で治療するということになります。そうすれば、歯の健康な部分はほとんど削ることなく残せるからです。

MIが普及しない理由

できるだけ削らない治療MIは優れた治療方法なのですが、なかなか広く浸透しない理由のひとつは、歯科医院にとって利益が少ない上に、患者さんの理解が必要不可欠だからです。

MI治療ではむし歯を必要最小限だけ削ります。そのために、充填物の接着力が弱い形態になることで、充填物が外れやすくなるケースがあります。また、神経の免疫力や回復力が十分に働かない場合は、痛みが生じることもあります。

つまり、一旦治療した歯に痛みが生じたり、充填物が脱落したりすることで、患者さんからのクレームが増える可能性が高まるのです。そのためMI治療をやりたがらない歯科医院が多いのです。

当院のMIに関する考え方

歯を修復するケース当院のMIに関する考え方
詰め物が壊れても補修できますが、歯が壊れてしまったら、再生することは不可能です。したがって当院は、少しでもご自身の歯を残すことを治療目標にしているのです。

具体的には、むし歯に冒された箇所だけを削り取り、そのあとに「レジン」とよばれる歯科用プラスチッティック樹脂で充填します。今までの治療方法よりも削る部分が少なく、詰め物や被せ物で置き換える必要性がないので、1回の通院で治療が終了します。

また、レジンは白いプラスティック樹脂であるために、見た目が美しく金属アレルギーの心配もありません。ただし、むし歯に冒された部分が大きい場合や、噛む力が非常に強い方の場合は、強度不足に陥りやすいので、詰め物や被せ物で置き換えたほうが良いと考えられます。

失った歯を修復するケース当院のMIに関する考え方
今までは、歯を失った場合の処置として、ブリッジを選択するのが一般的でした。しかしブリッジを掛けるためには、失った歯の両隣の健康な歯をわざわざ削る必要があるため、削った歯の寿命を縮めることになってしまっていました。

では、歯を失った箇所にインプラント治療を行う場合はどうでしょうか。インプラントは単独で機能するので、両隣の歯を傷つけることはありません。そう考えると、インプラント治療は「失った歯を修復する場合のMI治療」となり得るのです。

もちろん、どんなに医学が進歩しても、ご自身の歯に勝るものはありません。ご自身の歯をできる限り健康に保つことが、健康で豊かな生活につながる秘訣だと考えています。

できる限りの無痛治療を実践

痛むの少ない治療

「歯医者は苦手...」とおっしゃる方が少なくありませんが、その最大の理由は「痛いから」「痛そうだから」ということではないでしょうか? 幼少期などに痛い思いをされた方はもちろんのこと、実際に痛みを経験されていない方までもが、麻酔注射の痛み、歯を削る時の痛みなどにマイナスイメージを持っていらっしゃると思われます。

にしお歯科クリニックでは、患者さんにストレスを与えないよう、できる限りの無痛治療を実践しています。具体的には、表面麻酔・極細の注射針・電動注射器などを使用して、患者さんにとって快適な治療を目指しています。

無痛治療への具体的な取り組み

表面麻酔の実施表面麻酔
治療の痛みを抑えるために行うのが麻酔注射ですが、この注射の際の「チクッ」とした痛みが苦手とおっしゃる方も多く見受けられます。そこで当院では、麻酔注射の前には必ず、歯肉の表面にゼリー状の麻酔薬を塗布する「表面麻酔」を施しています。

この方法で歯肉表面の感覚を麻痺させることにより、注射針を刺す際の痛みを防ぐことができます。また、麻酔が効きにくい体質の方などもいらっしゃいますので、より麻酔力が高いペンレス(貼るタイプの麻酔)も、状況に合わせて使用しています。

極細注射針の使用
注射針は、太さが太いほど挿入するときの痛みは大きくなります。そこで、完全無痛治療を目指す当院では、「33G」という一番細いサイズの注射針を使用。さらには、針自体を押し込むように動かすのではなく、歯肉表面の粘膜を引っ張るようにして挿入することで、ほとんど無痛状態で麻酔を完了するよう工夫しています。

電動注射器の使用電動注射器
どんなに細い注射針を使用しても、麻酔液の注入速度が早くなったり遅くなったりと不安定になると痛みが生じます。また、手動で麻酔注射を行う場合は、圧がかかりすぎてしまうために33Gという極細注射針は使用できないのが一般的です。そこで当院では、電動注射器(オーラスター)の使用によって痛みを抑制しています。

電動注射器では、細い針でもゆっくりと麻酔液を注入することができるので、麻酔時の痛みが抑えられます。また、安定した低速度で少量ずつ注入できるため、麻酔が速く、よく効きます。さらには、効果を得るための麻酔薬の量を最少に抑えることにもつながり、安心・安全な治療に役立ちます。

レーザー治療も導入

レーザー当院では、歯科用レーザーの「オペレーザーPro(炭酸ガスレーザー)」も導入しています。レーザー治療は、医療の各分野で使用され人体に対する安全性は十分に確立されています。また、歯科用レーザー治療は痛みが少なく、従来の歯科治療に比べて治りが早いのも特徴です。

レーザーによって炎症が治まったり治癒が早くなる理由は、レーザーを当てることによって患部が40度くらいの熱を持った状態になり、その状態が10日間ほど持続することにあります。この間、患部が他の部位より高温になっているために感染が起こりにくく、また血行が良くなることから細胞の活性化が生じ、炎症が治まるのです。

不安感や・恐怖心などのストレスもなく治療でき、副作用もありません。高血圧や心臓疾患、内科的疾患などの各症状をお持ちの方から、妊婦さんなどにも安全に使用いただけます。レーザーは、外科用メスとしても使用されていますが、下のような様々な治療に効果を発揮します。

●むし歯治療/むし歯菌を殺菌し、歯質を強化します
●口内炎治療/炎症の痛みを取り除きます
●知覚過敏症/フッ素と併用し、歯がしみるのを防ぎます
●歯周病治療/炎症を抑え、歯ぐきの腫れを引かせます
●根管治療/根管に照射することで、殺菌・消毒します
●インプラント/手術時にメスとして使用することで、手術部分の治癒を早めます。
●メラニン除去/歯ぐきの黒ずみを取り除きます
●止血・殺菌/歯を抜いた後の止血と殺菌に使います

歯医者が怖いという方へ

歯医者が怖いという方へ 歯医者といえば、「痛い」「怖い」というイメージで、「できれば通いたくない」とおっしゃる方が多いと思います。しかし、そのために歯科医院から足が遠のき、歯が悪くなって食事が楽しめなくなってしまったら...。歯が気になって思いっきり笑えなくなったら...。こんなに残念なことはありません。

痛みの感じ方には個人差があるため、どんなに工夫してもなかなか「完全無痛」といい切ることは難しいと思います。ですが、麻酔注射後に「いつ、注射したんですか?」「最近は針を使わないのですか?」と言ってくださる患者さんがいらっしゃることも事実です。

当院では、歯科医院の悪いイメージを払拭することによって、個々の患者さんのQOLを維持できるよう、今後も様々な方法で「できる限りの無痛治療」に取り組んでいきます。

「なくてはならない歯科医院」を目指すこと

地域のかかりつけ医として

当院の診療目標は「患者さんの歯を守り、健康を育む」こと。10年後の健康を見据えた質の高い歯科治療を通じて、健やかさと美しさに満ちたライフスタイルの実現をサポートします。

患者さんの歯を守り、健康を育んでいくためには、今現在の主訴を取り除くだけの「その場しのぎの治療」ではなく、歯を悪くしないための予防や、治療後の状態を維持するためのメンテナンスなど、長い期間にわたって患者さんと深く関わっていくことが大切だと考えています。

患者さんにとって、
「あの歯医者さんへ行けば、自分の歯のことを自分以上にわかってくれている。知ってくれている。一番いい方法を考えてくれる」
そんなふうに思っていただける存在になりたいと思っています。

地域のかかりつけ医として患者さんから、
「なくてはならない歯科医院」
「ここでしか治療を受けたくない」
と思っていただけるようになるにはどうしたらいいかと考えたとき、私たち歯科医療者が患者さんのことを「家族同様」に思い、対応していくことが大切なのだと思い至りました。

一人ひとりの患者さんに対して、(自分の家族に治療やアドバイスをするとしたら...)と考えることこそが、最良・最適な治療のご提案へとつながり、信頼関係を築いていくことになるのではないかと。そんなふうに、「地域のかかりつけ医」として、あるいは「隣の歯医者さん」的な存在として、皆さんと長いお付き合いをさせていただきたいと願っています。

患者さんのQOL向上のために

院長あいさつ歯が美しく健康な状態であれば、生活の質は確実に向上します。例えば、白くて並びの良い綺麗な歯は、人前でも口元を気にせず自然でいきいきとした表情をもたらします。また、食材を選ばず何でも噛める歯は、活力ある生活の源となります。歯を守り健康を育むことは、患者さんの健やかさと美しさに満ちたライフスタイルの実現につながります。

そこで重要になってくるのが、
①できる限り歯を削らないミニマルインターベンション
②10年後の健康を見据えた精度の高い治療を実現
③痛みのない無痛治療実現への取り組み
④お口の健康を維持し向上を目指すメンテナンス

という考え方です。

これらを通じて、長い目で見て今後の貴重な時間や費用を無駄にしない最善の診療を心がけています。

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